絶対まだあるはずだ。隠さず早く出せ!

あるおしどり夫婦の御主人・Aさんが突然脳卒中で亡くなりました。子供はいません。
Aさんの財産と言えば、家は借家だし少しばかりの預金だけでした。

まだ初七日も終えていないのにAさんの兄弟3人から遺産分割協議をしたいという請求があり、「財産はこの預金だけです。」と奥様のBさんはもちろん正直に伝えたところ、「ウソつけ!絶対まだあるはずだ。隠さず早く出せ!」と3人が口を揃えて請求。Bさんが何度説明しても分かってくれず、悔しくて悲しくてついにBさんはノイローゼに。

【メッセージ】

亡くなった御主人は家は借家だし財産なんてほとんど無きに等しいと思っていたから遺言を残さなかったんでしょうか。

だとしたら非常に残念です。相続トラブルの原因に財産の多い少ないは一切関係ありません。
目の前にお金があれば少しでも自分が多くもらいたいと思うのが人情ですから、そこに自己流の言い訳をこしらえ 1円でも多くもらえるようにアピールするはずです。これは人間だれもが持っている性です。

【遺言力】

「妻にすべての財産を相続させる」旨の遺言を残しておけば兄弟には法律上取り分(遺留分)は1円もありませんのでそれで終わりです。
非常に簡単なことで、長年連れ添った大切な妻を守ることができたはずです。

でも「時すでに遅し」です。これで夫側の親戚とは疎遠にならざるを得ないだろうし、お子さんもいないし、夫も失って、残された奥様の気持ちはいかばかりのものでしょうか。

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