上品で聡明だった母が...

独り暮らしの72歳のDさんは昔から上品で聡明な女性でそれでいて、4人の子供を厳しくも立派に育て上げたたくましき母でした。しかし夫を亡くしてから次第に様子がおかしくなってきました。
買い物の帰り道に迷ったり、食事の支度も面倒といってやらなくなったり、「物が盗られた!」と騒ぎ立てることがたびたび見られるようになりました。

子どもたちはDさんとの同居は選ばず、低料金を考えて狭くて汚いとあまり地元でも評判の良くない施設に預けることに決めました。
夫ともに苦労して築いた広い自宅や相応の預金もあるDさんからしてみれば、きちんとした有料老人ホームにでも十分入れるはずなのに、認知症が進んでしまった今となっては自分の財産を自分のために好きなように使う能力も失われています。
子供たちの悪環境の施設入所の提案を断るすべもありません。

【対策】

元気なうちに任意後見契約を結んでおく必要がありました。

「もし認知症になったらこの人に面倒を見てもらいたい」という人に任意後見人になってもらい、介護の方法などの希望も契約に盛り込むことも可能だったのです。

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