悪質リフォーム

「自宅をリフォームしたから見においで」と69歳の一人暮らしの母親Hさんの家に久々に遊びに行った娘のJさん。

「リフォームってどこ?」「わからないの?ほらここよ。最新式よ!」と指されたのは勝手口の扉。
たしかに隙間風が吹いていた以前の扉は新しい扉に付け変わっていたけど、とりたてて特別なものとも思えずどこにでもありそうなものだった。
「あとは?」「そこだけよ。」「で、いくらしたの?」「150万よ。」「......(絶句)」

よくよく聞いてみるとそれだけではなく、訪問販売の人を家に上げては浄水器、羽毛布団、着物などあるわあるわ、次々に契約していました。貯金通帳を見ると、1000万くらいあったはずがもう100万を切っていました。

【対策】
認知症が始まっているかもしれません。症状が進んでいれば法定後見の申し立てを家庭裁判所にします。

裁判所が選任した後見人が裁判所の監督のもとHさんに代わって財産管理や身上監護をします。
法定後見人には取消権という強力な権限がありますので、もしこの先、悪質な訪問販売に騙されてもその契約を取り消すことが出来ます。

ただ後見人選任前のものは、後見人は取り消せません。売買契約時に本人が認知症であったことを証明し、契約締結能力が無いゆえの契約無効を主張するしかありません。
しかし実際認知症であったことを証明することは難しいし、相手もおいそれとは応じませんので裁判になる可能性もあり費用や時間もかかってしまい現実は難しいところです。

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