母さんのためにやってるのに!

リウマチを患っていた65歳の女性Fさんはほどなく車いすでの生活を強いられるようになりました。
それ以降は同居している長女に預金通帳と印鑑を預け、公共料金の支払い、年金の引出し等、財産管理を任せていました。

Fさんと長女は話し合い、車いすで生活しやすいように自宅をバリアフリー仕様に改築することにしました。Fさんは改築費に充てるため、所有していた一筆の土地を売りました。
改築したおかげでFさんも、面倒をみる長女のほうも非常に動きやすく快適になりました。

しばらくたったある日、長女は妹の家に呼ばれたので行くとそこには弟2人も揃っていました。開口一番、「姉さん、母さんの財産を勝手に好き放題使っているだろう。自宅もリフォームしちゃって、年金だって勝手に使ってるらしいじゃないか!」
「すべて母さんのために母さんと話し合ってやってることなのよ!」長女がいくら事情を話してもわかってくれません。

【対策】
財産管理等委任契約を結んでおくとよかったでしょう。

その契約書を見せるのと見せないとでは兄弟たちの受ける印象もちがいます。しかも公正証書にしておくとさらに強力な印象を与えます。

公正証書にするもう一つの理由は金融機関対策です。金融機関によっては受任者が本人に頼まれて本人名義の預金を引き出そうとした場合、公正証書にした財産管理等委任契約書がないと、拒否することもあるからです。

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